ポストアポカリプスBL「Fallocaust」第10章の読み方
第4回の範囲です。
1〜2章は作者に許可いただいて翻訳したので、こちらからどうぞ。
『Fallocaust』はKindle Unlimitedでも、普通のKindleおよび紙の書籍でも読めます。そして「なか見!検索」で9章冒頭までお試し読みできる!
第10章の要約
残酷描写:あり(流血/死亡/残虐行為)
性行為:なし
読了時間の目安:25分(12ページ)
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*この章の視点(POV: Point of View)キャラクターはリーヴァーです。
キリアンを襲ったレギオン兵の野営地に着いたリーヴァーは、兵士を殺し、リーダーからキリアンが生きていることを聞き出す。付いてこようとするグレイソンを昏倒させ、武器をありったけ持ってキリアンが運ばれた工場に向かうリーヴァーだった。
ストーリーライン
・リーヴァーが見張りの兵士に襲いかかる
・寝ている兵士ふたりの膝頭を切り落とす
・他の三人の兵士を次々と追い詰めて殺す
・戻ると、追いついてきたグレイソンが二人の兵士を縛り上げている
・リーダーの男を尋問していると、もう一人がリーダーの息子だとわかる
・息子の安全を約束し、キリアンの行方を聞き出す
・息子を殺したリーヴァーは、父親の銃撃で倒れる
・リーヴァーは意識を取り戻し、付いてこようとするグレイソンを昏倒させる
・グレイソンを安全なところに移し、縛られていたデーコンドッグに手紙をつけてアラスに戻らせる
・弾薬と爆弾を補充し、キリアンが送られた工場へ向かう
語彙・文法
"I was disappointed but I didn't let it dampen my spirits for too long." (100p)
訳)がっかりはしたが、それ(=手を下す前に、兵士が飛び降りて死んだこと)にいい気分を台無しにさせてはおかなかった。
- let + O + 動詞の原形 : Oにdo させる(使役動詞)
- spirit : 気分、意気
テンションが高い状態をhigh spirit などと言います。
"No... I... I was just put on as a relief for Peele." (101p)
訳)「違う…… 俺はピールの交代で連れてこられただけだ。」
put on : 連れてくる
put on にはたくさんの意味があるが、ここでは「連れてくる」。
I was put(過去分詞) on で受け身なので、「連れてこられた」。
putが現在形・過去形・過去分詞形が同じなことに注意。
reliaf:交代要員
putが現在形・過去形・過去分詞形が同じなことに注意。Peeleは人名。
"What if all this news just meant his pain and fear had been prolonged?
That I wouldn't even have a body to touch, or to take revenge on." (107p)
That I wouldn't と来ていて、このthatは何なのかと言うと、前文の隠れた関係詞のthat との並列。 to touch と最後の to take revenge on も並列になってa bodyにかかっている。
"What if all this news just meant
(that) his pain and fear had been prolonged?"
That I wouldn't even have a body to touch
, or to take revenge on."
このnews(知らせ)が(that以下)を意味するだけだとしたらどうするか。
(that以下①) 苦痛が長引いただけ
(that以下②) 死体さえ手に入らない
(死体にかかる不定詞)
手をふれる(ための)死体
復讐する(ための)死体
ここで疑問なのが、take revenge on (人) だと、(人) に復讐するという意味なので、復讐する対象がa bodyのように読める点。
revenge (人①) on (人②) では、「(人②)に(人①)の復讐をする」となる。どちらにしてもonの後には復讐の対象がくる。
コメント
今まで散々喧伝されてきたリーヴァーの異常性がついに火を吹きました。怒りに駆られて・・・とかそういうレベルを超えている・・・・! そして今までのでかい態度に見合うだけ強かったことがはっきりしました。レイヴン、さすがです。その一方で、パパ達に対する愛情は可愛いし、筋の通し方はきちんとしてますね。一筋縄ではいかないキャラクターです。
タイムロスがあったけど、無事にキリアンがアレされる前に間に合うのか!!!頑張れリーヴァー!
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