第七官界の中心で咆哮する

イチオシのカナダ発ポストアポカリプスBL小説『Fallocaust』をはじめ、英語のM/Mロマンス(BL)を中心に、BL小説などをレビュー。

ポストアポカリプスBL「Fallocaust」第11章の読み方

第4回の範囲です。

 

1〜2章は作者に許可いただいて翻訳したので、こちらからどうぞ。

『Fallocaust』はKindle Unlimitedでも、普通のKindleおよび紙の書籍でも読めます。そして「なか見!検索」で9章冒頭までお試し読みできる!

 

 

 

第11章の要約

残酷描写:微(死体)

性行為:なし

読了時間の目安:15分(7ページ)

 

**

*この章は三人称で視点(POV: Point of View)キャラクターはレオです。

 

レオとレノは、リーヴァーの手紙を見てグレイソンを探しに来る。グレイソンはリーヴァーの残酷な性質についてレオに話し、「彼」という存在に言及する。ふたりは教育方針について言い争う。

 

ストーリーライン

・レオはレノが運転する四輪バイク(クワド)に同乗している

・レオはグレイソンに対する心配で居ても立ってもいられない

・手紙に書いてあった場所に付き、デコドッグがグレイソンを見つける

・レオはグレイソンからリーヴァーの様子を聞き、殺戮現場を見る

・グレイソンがレノを遠ざけ、「彼」と言う存在に言及する

・グレイソンとレオがリーヴァーに関して秘密の計画を持っているらしいことが明かされる

・レオはリーヴァーに対して息子のように感じており、計画を進めようというグレイソンと口論する

・リーヴァーを助けに行きたいレノをなだめ、荷物をまとめてアラスに帰ることになる

 

語彙・文法

"Leo pursed his lips." (111p)

訳)レオは唇をすぼめた。

  • pursed lipsは、不快感や怒り、不満、考え込んでいる様子などを表す表情。

画像検索をすると、有名な映画の場面などが出てきて想像がつきやすい。

 

"That little fucker" (114p)

訳)「あんちくしょうめ」

fucker : あいつ、やつ、馬鹿者

必ずしも悪感情を表すものではなく、親しげな言い方としても使う。 

 

"They sold him alive to Typhus Canyon" (114p)

訳)「奴ら(レギオン兵)は彼(キリアン)を生きたままチフスキャニオン(工場)に売った」

 They(S) sold(V) him(O) alive(C)の第5文型。

 

 

"Killing is one thing, but..." (117p)

訳)「殺すのは分かるが、あれは... 」

  • A is one thing and B is another.:AとBとは別だ

ここでは直接言及されていないbut以下がKillingとは別だ、ということが示唆されているセリフです。

リーヴァーの残虐行為は、ただ殺すのとは違う、それ以上の異常性がある、ということ。

 

"I saw him in him." (117p)

訳)「リーヴァーに"彼"が見えた。 」

ここのセリフはリーヴァーの話をしているので、himはリーヴァーと考えるのが自然ですが、斜体になっているのと、「彼の中に彼を見た」という内容が変なので、斜体のhimが誰か別の人物、しかもグレイソンとレオの間では通じる誰かを指していることがわかります。

 

コメント

おお…? 初めてのレオ視点(三人称だけど)と、今までリーヴァーから見た姿しか書かれてなかった登場人物のやりとりが見られる章だけど、最後の意味深会話に全てが持って行かれる.........! 「彼」って誰やねん!!!!! レオとグレイソンが何か隠してるっぽいことは薄々分かってたけど、謎は深まる。何かリーヴァーの残虐性と関係あるっぽいね。ドキドキ。 

 

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