ポストアポカリプスBL「Fallocaust」第7章の読み方
第3回オンライン読書会(3月開催予定)の範囲です。
1〜2章は作者に許可いただいて翻訳したので、こちらからどうぞ。
『Fallocaust』はKindle Unlimitedでも、普通のKindleおよび紙の書籍でも読めます。そして「なか見!検索」で9章冒頭までお試し読みできる!
第7章の要約
残酷描写:なし
性行為:なし
読了時間の目安:20分(11ページ)
広場でギターを演奏しているキリアンは、キャラバンがすぐに着くことを知らされる。リーヴァーが友人のレノと行ってしまい孤独を感じつつ、リーヴァーの尾行に気付いた時のことを思い出す。キャラバンで買い物をしてから家に戻り就寝する。
*この章はキリアンの一人称で語られます。視点(POV: Point of View)キャラクターが誰なのかを意識して読み始めよう。
導入
:キリアンのリーヴァーについての回想。
主人公の様子
:広場のコンクリートブロックに座ってギターを爪弾いている。(62P)リーヴァーはいつもの屋根の上に居る。
ストーリーライン
・キリアンはリーヴァーについて考えている(61〜62P)
- リーヴァーの姿を見たいと思いながら、できないでいる
- 勇気を出して目を合わせようとすると、リーヴァーはいつも視線をそらして無視する
- リーヴァーの髪や目は漆黒に見えるが、光が当たった時だけ深い茶色
- 漆黒と白い肌の対比が美しい
- ハンサムで完璧
- 髪は後ろが短くて前髪は耳にかけられるくらい長い
- 初めて間近で見た時、顔を覚えようとした
- キリアンの母はリーヴァーと関わるのを禁じていた
- リーヴァーは人嫌い。レオとグレイソン、たった一人の友人以外とは関わらない
- リーヴァーは町の処刑人である
・スクエアでギターをいじっている(62P)
- リーヴァーが後をつけて来ているのは、本来なら怖がるべきなのだろうが、特別扱いされているようで悪い気はしない。
- 最初はグレイソンがリーヴァーを雇って自分の身辺に目を配らせているのだと思ったが、漏れ聞いた会話からするともう雇っているわけではないらしい。
・リーヴァーがついて来ていることに初めて気付いた時の回想(p62〜)
- 両親が死んで1週間後にブロックの外へ出て死のうと思っていた
- 両親は病状がかなり進んでから隔離されたため、家の中の臭いは酷く、ハエや蛆がわいていた
- 狂った世界に一人取り残され、酷い死に方をするだろうと絶望していた
- 今となってはそんな風に思ったのを申し訳なく思うが、その時はレイプされると思った
・スクエアでギターを演奏し始める(p65〜)
・グレイソンが演奏に合わせて歌い出し、一緒に歌ってハッピーな気分になる
・もうすぐキャラバンが来ると言われる
・家にお金を取りに行って戻ってくるとキャラバンが到着していた
・グレイソンとレオはキャラバンの知り合いのMenkinとバーへ
・リーヴァーは壁外の見張り番をする友人レノとクスリをやりに行ってしまう
キリアンは取り残された気分で少し嫉妬する
・キャラバンで買い物をする(pp68〜70)
・家に戻る
- ファロコースト前の幸せな時代に居る自分の家族を想像する
- 話したこともないリーヴァーしか友達も居ない孤独に涙する
・お腹が空かないので食べずに就寝
背景説明
Dek'koは食品や日用品などを取り扱う会社。キリアンの父が働いていた工場はデッコー。買い物に使えるのはデッコー token<トークン>(商品券)のみで、従業員の支払いもトークンで行われる。(p66)
参考:ポストアポカリプスBL「Fallocaust」用語集 解説付き
ファロコースト後の平均寿命について:ほとんどは35歳までに死亡する。60歳は高齢。(p70)
語彙・文法
"I knew if I was to find out why Rever had started and continued to follow me, I would hear it from Leo and Greyson, (...)" (p62)
リーヴァーがぼくの後をつけ始めた理由、そして今もそれを続けている理由を聞くならば、それはレオとグレイソンからだということは分かっていた。
"I knew [if I was to find out why Rever had started and continued to follow me], I would hear it from Leo and Greyson, (...)"
- (仮定法)I would : [if 節]ならば、レオとグレイソンから聞くだろうと分かっていた
仮定法は「もし〜だったら」という仮定の話は過去形で表すという文法事項です。wouldは助動詞なのでその後に来る動詞は原形になります。
- (be to〜)I was to : if節で「〜する(つもり)ならば」
"If it wasn't for the many mercenaries" (p64)
もし多数の傭兵がいなければ
- (If it wasn't for〜)〜が無ければ
コメント
初めてのキリアン視点で回想が多いので、詳しめに書いてみました。ここまででかなり厳しい世界観が明らかになってきましたが、この世界に一人で取り残されたキリアンの孤独と恐怖はいかほどか。これは辛い。リーヴァーは格好つけてないで早く話し掛けてあげるべきだろ(怒)とはいえ、リーヴァーの存在はキリアンの心の支えになっていたようですね。さて次章もキリアン視点です。そろそろ何か展開がありそうな予感ですね。
続きはこちら